「西成のまちづくり100話」
まちづくりこども大学の取り組み
西成地区ですすめられている街づくり運動に合わせて、子供たちが中心となって子供の視点でまちづくりを考えるプログラム「めざせ!わんぱく合衆国 まちづくり子ども大学」を、1996年の夏季教育活動から、ヒューマンライツ教育財団主催の事業として実施しました。活動の目的は、(1)西成で進展する街づくりに子どもの視点で提案するための土台づくり(2)街づくりと人権という視点を結合して学ぶ(3)ワークショップスタイルを導入し参加型学習の実験を行う(4)地域外から学生やNGO関係者などの参加を求め、地域内外の関係づくりを進める(5)子どもの未来像を広げるなど、ヒューマンライツ教育財団としての教育事業の今後を模索する、でした。(1)すべての人にやさしい街、(2)楽しい学校をつくる、(3)西成の公園をつくる、(4)自然にあふれる街づくり、(5)わくわく商店街をつくる、5つのコースグループにわかれ、グループごとに「わんぱく探検隊」「わんぱく撮影隊」の2班をつくり、小学生から高校生40名あまりが参加し10日間にわたってワークショップ形式の学習会や計画・提案づくりと実際のフィールドワークを行いました。まとめられた63項目の「提言」(資料参照)はまちづくり委員会に提出され、撮影された記録はビデオ作品「未来予想図」になり、まちづくり研究集会等で発表されました。こうした経験を生かして、北津守公園のリフレッシュ工事に関して、「子どもワークショップ」を開催しました(1997.11)。公園にある船の形の遊具の絵は、区内小学校の子供たちの絵画コンクールの作品。タイルは生きがい労働事業団と障害者グループの共同作業。手作りの公園が出来上がりました。 また、池を作ろうということになり、「近自然工法」と呼ばれ、コンクリート造りではなく、ゴムシートを底に敷き、雨水をためて自然浄化させながら緑を繁殖させ「トンボなどが集まる池」(ビオトープ池)づくりを進めている「樋口池グループ」の田原塩二代表の協力を得てとりくみました。田原さんを講師にした学習会(1997.9)、池の見学会を実施し11月から子供たちを中心に池づくりを始め、12月の「西成子どもフェスティバル」の中で、大阪市内では最初となる「ビオトープ池」の完成式を行いました。